記録写真集(JR東海/西日本300系)
1992年、「名古屋飛ばし」で有名になった初代「のぞみ」用車両。2012年3月16日、完全引退…。

編成:J55(特別装飾付き) 2012年3月21日 浜松ー豊橋間にて
編成:F7 2012年3月10日 京都ー米原間にて
1992年3月に東京ー新大阪間を2時間30分で結ぶ、東海道・山陽新幹線の新列車「のぞみ」用としてデビューした車両。

東京ー大阪間を2時間30分で結ぶことを目的として設計・製造された車両で、最高時速は270キロ。0系や100系と比べて屋
根の高さが低くなり、曲線を多用(試作車は直線的)したデザインによって精悍なフォルムになった。


扉は空気抵抗を考え、車体と扉の隙間を減らすために内側に開くプラグドアを採用し、扉が車体と面一になって美しいスタ
イルを披露していたのだが、このプラグドアは複雑な機構の割に故障が頻発し、従来の引き戸だと車体と扉に段差が生じる
ものの、プラグドアで面一にしたところで空力的にも大した変化はないという大変厄介なものになってしまい、1993年度製
造の編成からは引き戸に変更されている。


まず1990年にJR東海が試作車を製造し、各種試験を行ってから1992年に量産車を製造。1992年後半からは「博多のぞ
み」新設に合わせてJR西日本も9編成製造(F編成)し、最終的に0系の老朽取り換えに充てられ、JR西日本の編成と合わせて
70本体制になった。


しかしながら、2007年に後継となるN700系がデビュー。JR東海ではまずZ0編成が導入され、こちらは試験車となっていた
試作車のJ1編成を置き換えた。これ以降量産車を一気に投入して急速に置き換えが進む中、さらにF編成もJR東海から譲渡
された700系C編成に置き換えられる形で2011年7月から廃車が始まり、J編成も10月ごろのJ60編成を皮切りに台車検査の
期限が切れた編成から廃車を再開。次々と廃車された結果、3月16日段階で残存したのはJ55・57・F7~9の5本であった。


J編成が3月16日の「のぞみ329号」で、同日、F編成も「のぞみ609号」を最後に引退した。J編成については特別装飾が施
された状態のまま、3月21日にJ55編成が東京第二車両所から、そして23日にJ57編成が大阪第一車両所からそれぞれ浜松工
場へ廃車回送され、完全消滅した。F編成も全て博多へ回送され、本線上からすべて消滅した・・・。

J編成編成表(全車廃車済)
編成番号
注釈
最終運用
廃車回送実施日・経路

2012.1.10
2012.1.11
東二両ー浜工
特別装飾付き
2012.1(定期運用)
2012.2.24
2012.3.21
東二両ー浜工

2012.1.31
2012.2.9

東二両ー浜工
特別装飾付き
屋根洗浄施工
2012.2.1(定期運用)
2012.3.16
2012.3.23

大一両ー浜工

2011.10
2011年10月中旬
東二両ー浜工

2011.12
2011.12.16

東二両ー浜工
F編成編成表(全車廃車済)
編成番号
乗降扉
最終運用
廃車回送実施日・経路
プラグドア
2011.10.26
2011.10.30-31

10/30 広島ー大一両
10/31 大一両ー浜工
プラグドア
2011.9.13
2011.9.14-15
9/14 博総ー大一両
9/15 大一両ー浜工
プラグドア
2011.11.17
2011.11.27-28
11/27 広島ー大一両
11/28 大一両ー浜工
プラグドア
2011.10.27
2011.11.14-15
11/14 広島ー大一両
11/15 大一両ー浜工
プラグドア
2011.6
2011.7.11-12
7/11 広島ー大一両
7/12 大一両ー浜工
引き戸
2011.8.15
2011.8/16-17

8/16 博総ー広島ー大一両
8/17 大一両ー浜工
引き戸
2012.3.16
2012.8.7

広島ー博総
引き戸
2012.3.13
2012.5.31
広島ー博総
引き戸
2012.3.12
2012年6月?
広島ー博総
※車両基地の略称について
博総=博多総合車両所 広島=博多総合車両所広島支所 大一両=大阪第一車両所 東二両=東京第二車両所 浜工=浜松工場

保存車(2011年11月10日現在) 全てリニア・鉄道館で保存
車号
製造年次/乗降扉
322-9001(もとJ1)
試作車/プラグドア車
323-20(もとJ21)
量産2次車/引き戸車