記録写真集(大阪市交通局 谷町線用30000系)
新20系の発展版にして、第三軌条線区用としては約20年ぶりの新形式。30系置き換え用として現在増備中!

編成:32608F 2012年10月3日 森ノ宮駅にて
これまで谷町線で活躍してきた30系は冷房化と同時に大規模な更新が施工されていたが、製造後35年以上が経過し、老朽化
が進んだことによる置き換え用として、2009年3月18日から営業運転を開始した谷町線用の新型車両。


新20系をベースとしているが、前面は新20系の直線基調から曲線基調へと変化し、最近の鉄道車両の流行ともいえるブラッ
クフェイスに。レーザー溶接を採用したビートラインのないすっきりとした車体に紫、薄紫、白の3色のラインカラーが入
り、さらにホームドアに対応するためか側面上部に紫の帯が、さらに縦にも紫の帯が張られ、その中に号車表示を織り交ぜ
た大胆なデザインは今後の大阪市交車の標準デザインとなっていくであろう。


方向幕はこれまでの幕式から3色LEDに変更され、側面のものについては号車表示も兼ねている。

足回りは、台車は新20系用と比べて設計を大幅に変更したFS-578(局名称DS-300)を履き、さらなる改良によって快適な乗
り心地を実現。制御装置は三菱製のIGBT-VVVFインバータ制御を採用した。


車内は蛍光灯のカバーをなくし(安っぽく見せないためか蛍光灯端子部のカバーは設置された)、内装パネルの色調も明るく
したことにより新20系と比べて高級感は半減したものの、冷房装置の改良に伴いさらに薄くしたことで、同時に天井も高く
なり、明るい車内となった。座席も80系などで採用されたバケットシートが採用され、一人あたりの座席幅を広げるため6
人掛けから5人掛けに変更された。

 車内の案内装置は大阪市営地下鉄の車両で初めて液晶ディスプレイを採用し、以前のLED式とは全く違い、イラストを使
った詳細な案内ができるようになった(ただし終電案内については省略)。

 床下の台車点検蓋は従来の車両は露出していたが、これが床材を切断することで点検蓋が開けられる方式へと変更され、
床が平面になり、床材の厚みが増したことによって静粛性にも優れた。


ホームドア対応として車外スピーカーも取り付けられているが、計画自体がないためか、ホームドアに対応するための装置
については設置されていないものの、車外スピーカー自体は時折使用する機会があるようだ。


まず2008年11月に試作車の32601Fが落成。各種試験ののち3月には試乗会が行われ森ノ宮ーコスモスクエア間を走行。3
月18日に営業運転を開始したが、しばらくはあまり運用に入らず、データのフィードバックなどが行われていた。

 そして試作車の営業運転開始から1年が経過した2010年3月23日、前面方向幕をフルカラーLEDに、台車点検蓋の露出化
などの仕様変更が行われた量産車第1号の32602Fが落成し、3月30日から営業運転を開始。32601Fについても仕様を量産
車と合わせるため、大日検車場で量産化改造が行われた。

 2013年度中に30系をすべて置き換えるための本格増備が始まり、年3本ペースで次々と製造され、2011年度末までに
32603~32607Fまで落成。32604F以降についてはドアが開いている際に誘導音が鳴るようになったが、誘導音の鳴る間隔
が7秒と長過ぎたせいで使い物にならず、32605Fから誘導音の間隔が4秒(最初の1回は開扉指令後3秒)に縮まり、32604F
についても32605Fと同仕様に改造され、32601〜32603Fについても同様のものが取り付けられた。


 なお、御堂筋線仕様よりも後に登場した32605F以降は御堂筋線仕様の改良点を一部反映しており、内装パネルが扉上部
にも貼り付けられて質感向上が図られており、子供が握ることができるように扉付近の握り棒が下方向に拡大され、さらに
乗務員室内環境対策で運転席のサンバイザーが青色の透明アクリル板から白い不透明のプラスチックに変更されているが、
2012年度製造車はさらなる改良が加えられ、御堂筋線仕様で行われた袖仕切り上部のダブルパイプ化に加え、吊り革を枕木
方向に配置するなどの改良が施されている。


32602Fから採用され、32601Fものちに3色LEDから交換されたフルカラーLED式の前面方向幕は、「臨時」表示は発熱量
の問題から「回送」「試運転」同様の赤地白文字であったが、発熱量の問題を解決できたことにより、御堂筋線仕様と同様
にこちらも白地赤文字に変更された。


2012年度製造車もようやく導入され、第8編成となる32608Fが10月11日から営業運転を開始した。
次の編成となる32609Fも12月14日付で竣工し、年内にはデビューできそうだ。

編成表(2012年12月15日現在)背景黄色表示:運用離脱中 緑色表示;非営業車両
編成
←八尾南 組成 大日→
32600-32100-32800-32300-32200-32900
年次区分
備考
32601-32101-32801-32301-32201-32901
試作車
量産化改造済み
車体側面の黒線が太い(ゴム入り?)
開扉時誘導音機能追加(1月頃取付)
32602-32102-32802-32302-32202-32902
2次車
開扉時誘導音機能追加(12月取付)
32603-32103-32803-32303-32203-32903
開扉時誘導音機能追加(12月取付)
32604-32104-32804-32304-32204-32904
2次車
※誘導音は新製時7秒間隔
開扉時誘導音機能変更(11月改良)
32605-32105-32805-32305-32205-32905
3次車
誘導音は新製時取付

32606-32106-32806-32306-32206-32906

32607-32107-32807-32307-32207-32907

32608-32108-32808-32308-32208-32908
4次車
誘導音は新製時取付

32609-32109-32809-32309-32209-32909
4次車
誘導音は新製時取付
12/15 大日へ回送
(広告整備済)